矛盾の炎
「森を守ろう」と声高に叫び その言葉を刷るために、また木を切り倒す。 「命の海を美しく」と歌いながら 使い捨ての便利さで、波間を濁していく。 冷房で凍えるほど冷やした部屋のなか 地球温暖化のニュースにため息をつき、 「エコ」という名の免罪符を提げた袋には 過剰に包装された、終わりのない欲望を詰め込む。 私たちは、なんと哀れで無責任なのだろう。 自らを賢い生き物だと信じ込みながら、 自分たちが乗っている船の底板をひっぺがし、 それを燃やして暖をとって喜んでいるのだから。 大地は悲鳴を上げない。 海は言葉で怒らない。 だが、その沈黙は決して「許し」ではない。 狂いゆく季節と乾いた風が、静かに限界を告げている。 「未来を救う」ための会議へ向かうため、 今日も空へ莫大な煙を吐き出しながら空を飛ぶ。 この滑稽な矛盾の連鎖に、 いったいいつまで気づかないふりを続けるのか。 もう、猶予など残されてはいない。 自ら編み上げた「便利」という名の縄で、 ゆっくりと、確実に、 自らの首を絞め上げていることに。