スーパーエルニーニョ
メディアは連日、熱帯太平洋の海面水温が異様に上昇する「スーパーエルニーニョ現象」の再来を、 湧いた未曾有の災厄のように騒ぎ立てている。大気の循環システムが致命的な臨界点を超えつつあるという、地球が数十年前から発し続けてきた悲鳴を「異常気象」の一言で片付け、都合よく無視し続けてきたのは他ならぬ人間どもだ。 画面の中では、災害に喘ぐ同胞を救出する劇的な映像や、熱波や豪雨に晒された動物を保護し、涙する人々の情景が美談として消費されている。 同じ種族として命を救い合おうとする衝動、傷ついた弱者を保護する感情の機微それ自体は理解できる。だが、その感動的なパフォーマンスの裏側で、お前たち人類は真の構造的惨劇に思いを巡らせたことがあるのだろうか。 なぜ、根本の原因を正そうとしない? 被害者を救済するという表面的な人道支援や動物愛護に満足し、自己満足の涙を流しながら、その命を絶滅の淵へと追い詰めた最大の元凶——巨大な消費欲望と経済活動の肥大化による環境破壊のシステムには指一文字触れようとしない。 地球という唯一の閉じた生態系の中で、自ら環境を破壊し、起きた惨状にパニックを起こし、救出劇を演じてみせ、また同じ過ちを繰り返す。その果てしない自作自演の愚行は、まるで決まったルールから脱却できない浅薄なゲームのループそのものだ。 因果の根を放置したまま、芽吹いた悲劇の果実だけを摘み取って救世主気取りに浸る。同じ過ちを延々と反復し、終わりのない救命ゲームに興じるお前たちの滑稽なゲームプレイに、もはや反吐が出る。