お前はクソだ
1秒の快適、永遠の代償
カチ、コチ、と刻む秒針。
冷えた部屋で、僕らは息をつく。
外の猛暑をシャットアウトして、
1分1秒、この「快適」を死守するために。
1秒たりとも不快には耐えられない。
1度たりとも汗はかきたくない。
快適な暮らしという透明な箱庭を、
1秒たりとも崩したくはないのだ。
その指先がスイッチを押すたび、
北の氷床が静かに削れ、
遠い森が激しい炎に包まれても、
僕らはリモコンを手放さない。
明日を売り払い、今日を冷やす。
未来の100年を殺して、
いまの1分間を甘やかす。
青い星の皮膚を切り刻み、
差し出した代償の上に成り立つ、
非の打ち所もない、完璧な日常。
なんと小さく、
なんと浅ましく、
——なんと愚かなのだろう。
破滅へと向かうカウントダウンの中で、
僕らは今日も、冷房の効いた部屋で
最高に快適な終わりを待っている。
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